claps!

□with envy
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サンプル盤が出来たと、とても嬉しそうに昂(のぼる)が届けてくれた。

そのCDをプレイヤーにセットした。

俺が出させる声とはまた違う、艶のある声。

年々、昂は進化して行く。

ボーカルはもちろんのことだが、ベースも飛躍的に腕を上げた。

いつかは俺を追い越すだろうと分かってはいたが、その時はもう差し迫っているようだ。

「ふぅ……。」

ため息をつき、ソファーに寝転がった。

目を閉じて、昂が弾くベースの音に耳を集中させた。

レコーディングではボーカルとベースは別々に録音するが、ライブでは歌いながら弾く。
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