claps!
□梅雨葵
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「帰る。」
「うん。いっしょに帰ろ?」
返事はせずに、自転車のスタンドを上げた。
二つの車輪はゆっくりと歩き出す。
二つ並んだ影も、ゆっくりと伸びて行く。
風に雲が流されて、夕日が顔を覗かせた。
あいつの笑顔がまぶしい。
俺は直視出来ずに、うつむいた。
水たまり、それは空を映し出す鏡。
あいつの心も透かして見せてくれよ……。
「……ねぇ?」
「ん〜?」
「何でもな……あっ!!」
「あぁ?」
あいつが指を差した先、雨上がりの空に輝くプリズム。
「きっと明日もいいことありそう!!」
そうだといいなと、フッと微笑んだ。
Thanks your claps!!
2011/5/10〜