ビー(エ)ル!!*C Vol.1

□だから、溺れる。
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昂は瞼を閉じ、ベースの音に集中している。

俺も目を伏せて、その音に聞き入った。

今のままでも、こいつのプレイは十分上手い。

しかし、

「そこさ……」

俺は我慢出来なくなって、背後から昂に近付いた。

「あ、は、はい。」

昂は驚いたのか、少し声が裏返っていた。

「こうしてもいいんじゃない?」

――ドクドクドク……!!

俺は昂の両手に自分の両手を重ねた。

これは別にやましい想いからじゃない、なんて言い聞かせながら。
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