ビー(エ)ル!!*C Vol.2
□夏の夜空に打ち上げた
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「そして、スペシャルサポートキーボード・下邑雄志(ゆうし)!!」
歌い終わりのMCで、最後にメンバーを紹介した。
「そんなスペシャルな日なので、」
と僕が喋ると、会場から期待の歓声が上がった。
しかし、スタッフと他のメンバー、そして下邑さんは俄かに慌てた。
「もう一曲やってもいいかな?」
言った者勝ちだ。
セトリにはない、突然のアンコール。
「下邑さん、よろしくお願いします。」
下邑さんの方を振り向くと、焦りと憤りが入り組んだ表情をしていた。
その顔が、見たかった。
僕はほくそ笑んだ。