ビー(エ)ル!!*C Vol.2
□表と裏
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「はぁ、はぁ……はぁ……!!」
声を荒げた篠塚さんは、肩で呼吸を整えた。
「……篠塚さ……」
「帰って!!」
急にそう言うと、篠塚さんは立ち上がり僕の体は自由になった。
だけど、僕の体はまだ硬直したまま。
「篠塚さん?」
蚊の鳴くような小さな声で、篠塚さんに呼びかけた。
「帰ってと言ったのが、聞こえなかった?」
「聞こえました、けど……」
こんな状態の篠塚さんを放置して帰るなんて、僕には出来ない。
「けど?」
「篠塚さんのことが心配で。」
「心配?」