旧book
□七夕の夜に
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〜三井〜
そいつは、俺の腕をがっちり持って車をだした。
「おい!てめぇ!手ぇ離せ!」
俺は、無理やりそいつの手を振り離した。
そいつは、なぜか悲しい顔をした。
「三井さん、俺の顔忘れました?」
そう言って、そいつは大きなサングラスを外した。
「彼氏の顔ぐらい覚えててくださいよ。」
そう、そいつは俺の恋人である宮城だった。
宮城は、髪が伸び高校生時代の髪型とは少し違った。
「お、お前ホントに宮城か?」
「三井さん、それちょっと傷つくんですけど。」
俺は、戸惑っていた。7年間も会えなかった奴にやっと会えるなんて。
「え、三井さん泣いてる?」
「え?」
いつの間にか、頬を涙が流れていた。
「・・・三井さん、今まですいませんでした。だけど、俺も会いたかっ!」
俺は、嬉しくて宮城に抱きついていた。
「み、み三井さん俺運転中。」
「あ、わりぃ・・・。」
宮城は、顔を赤くして前を向いた。
そして、宮城はあッという顔をして
「三井さん、今からいいとこ行きましょうか。」
「別にいいけど・・・。」
にっと笑って宮城は、スピードを上げた。