Short Story
□A BIRDCAGE
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時は平成。
私はかの有名な桜木財閥の一人娘。
それゆえ、何一つ不自由ない贅沢な暮しが保障される。
だけど、こんな贅沢は望まない。
この世界から連れ出してくれるのであれば誰だってかまわない。
誰でもいいから、この籠から出して!!
“詩音お嬢様、またその本を読んでいらっしゃるのですか?”
“ええ、だって素敵じゃない。まるで正反対の境遇にある2人が結ばれるのだから”
“・・・あまりそのようなことばかり言ってますとお父様が悲しみますよ?”
“・・・”
“さあ、そろそろ式典のお時間です。ご支度しましょう”
“分かりました”
言われるがままに着物を着せられていく。
私に拒否権は無いのだから。
あっという間に着つけが終わる。