Short Story

□シンデレラ
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“桜井さん、これ、あんたの定期だろ?”

“・・・?”

そこには、私の定期をもった斎藤君がいた。


“違うのか?”

“そっそうだけど・・・。なんで私の名前?”

“・・・なんで知ってるのかって?定期に書いてあるけど?”

“あっ!そっか!!ありがとう”

そうだよね。彼が私の名前なんて覚えているハズがない。だって、今まで話したことさえないんだから。


“嘘。同じクラスだろ?知ってるよ。ついでに・・・、早くしないと電車行っちゃうよ?次に乗るんだろ?”

“うっうん!”

“ほら、行くぞ”

そう言って彼は強引に私の手を引っ張る。
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