Short Story
□A BIRDCAGE
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必死になって首を横に振り、嫌じゃなと訴える。
だけど、名前が出て来なくて首をかしげると、
“祥。さて、お手をどうぞ、お嬢様。仰せのままに逃がして差し上げましょう”
こうして始まるは逃避行。
憧れたのは立場の違う2人の恋愛。
これはどうなのか分からないけれど、この人について行けば大丈夫だと思ったから。
お屋敷の中が騒がしいがそんなの気にしない。
“やっと会えた、私の王子様”
A BIRDCAGE
“あなたと同じ世界がみたい”
“それ、前世でも言ってたな”
“?”
“お前は有名な武士の娘で、俺は一抹の浪士集団。全く立場の違うお前を、俺が攫ったのさ”
“!!”
彼がお見合い相手だったと知ったのはもう少し先のこと。
Fin.