Short Story
□A BIRDCAGE
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両親が私を信じっているのは都合が良いこと。
まあ、それもそのはず。今回が初犯なのだから。
これからどうしようかと考えながら暫く庭園を散歩していると、不意に声をかけられた。
“お嬢さん、浮かない顔してどうしたの?”
振り返ると、知らない男の人が立っていた。
否、初めてあったはずなのに、なぜか懐かしい気さえする。
私の顔を見た彼もまた、驚いたような顔をする。
“もしかして、詩音なのか?”
その問いに、コクリと頷くだけの返事をする。
“まるで鳥かごの鳥のようだな。また籠から出してやろうか?”
“!!”
何故だか分からない。
けど、蘇ったのは遠い昔の記憶。
遡るは遥か昔。前世だろうか?
“俺と来るのは嫌か?詩音”
“出してくれるのなら、どこへでも連れて行って!えっと・・・”
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