06/16の日記

08:45
稽古
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大久保さぁが、今日は一日暇ができたと仰るので剣術の稽古にお誘い申した。
とりあえず立木打ちを・・と言うたら、「なぜそんな事をしなければいかんのだ」と突然怒り出し、木刀を投げてしまわれた。結局、おいのいつもの稽古をご覧になると言うので縁側に腰掛けて渋茶を召し上がる傍らで稽古を始めたら、立木打ちの音と気合が煩い、とまたお怒りになる。しかしいつもの日課なので、構わず打ち続けると諦めたように眺めておいもした。

稽古の後「なぜ毎日、そこまで激しい稽古をするのだ」とお尋ねになったのでこちらが驚く。「大久保さぁを、いついかなる時でもお護りするためでごわす」と答えると、なにやら顔を赤くしてぶつぶつ呟きながら行ってしまわれた。おかしなお方じゃ。

大久保さぁのお手は、剣を握るよりも筆を持つのにふさわしい、綺麗なお手じゃった。
おいは、それでよかち思いもす。





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