幕恋hours short

□my sweet
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(よく寝ちょる)

薄明かりの中、深雪はあどけない寝顔ですやすやと眠っていた。

そっと頬に触れると、ん、と眉を顰める。



(こりゃあ、却って生殺しだったかのう)


愛らしい寝顔を見てしまうと、もう抱き締めたくてたまらなくなって来る。

寝顔だけでは物足りない。その柔らかい唇を己のそれに重ねたい衝動が襲う。





「堪忍じゃ、深雪・・・」




そっと詫びて、深雪の身体を抱いた。


「・・・・・んん・・・」


覚醒しきらない瞳がゆっくりと瞬き、やがて焦点が合うように龍馬を見つめた。


「りょうま、さん・・・・?」



「深雪・・・」


「おかえりなさい・・・」


「おんしに逢いとうて、こんな時刻じゃが帰ってきてしもうた」



深雪はそれを聞くと、花が綻ぶようにゆっくりと微笑んだ。


「私も、会いたかったです・・・嬉し・・・」

残りの言葉は、龍馬の口付けに呑み込まれてしまった。
首に巻きつく華奢な腕より、もっと強く深雪を抱き締める。お互いを求める想いの強さに息が詰まりそうになる。




束の間の甘い時間を過ごす二人を、月だけが優しく見守っていた。




end


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