幕恋hours short

□曇りのち晴れ
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坂本龍馬篇




「小娘、このわからずやの長州者に言ってやれ」


「深雪さん、遠慮は無用です。聡明な大久保さんも女性の気持ちには疎いようですから」




ど・・・どうしよう〜。

どっちも嫌なんて、言えないよ。



だいたい龍馬さんもひどい!いきなり私を預けるなんて、そんなこと一言も聞いてなかったし。

私がいたい場所は、龍馬さんのそばだけなのに・・・。

そんなに、私のことが邪魔なのかな・・・?


不意に不安な気持ちに襲われて、涙がじわりと滲んでくる。



「ほら見ろ。小娘は気が優しいから桂君を傷つけるのが忍びないんだろう」

うるんだ目を思いっきり勘違いした大久保さんが勝ち誇ったように言った。


「いえ、逆かもしれませんよ・・・?」


落ち着き払った桂さんの声。

「あ、あのっ、私・・・!」


誤解を解こうと声を上げたその時。




「深雪!!待たせたのう!」


すぱんと襖が開いて、この場を作った張本人が登場した。





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