写真

□二枚目
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「はいっ!!」



誰かに名前を呼ばれた気がして、私は飛び起きた。

でも周りを見ても人は居ないし、解るのはここが四天宝寺中の屋上という事だけ。

どうやら昼休みに来て、そのまま眠ってしまったらしい。

空耳、かな?

その場で伸びをしてから立ち上がり、貯水タンクの裏から出ると、知らない生徒が2人居た。

1人は、金髪か茶髪か解らない髪の色で、鳥の巣の様な頭をした男の子。

もう1人は、青みがかった髪の色で、ショートカットの女の子だった。

2人とも私の方を見て、驚いた様な顔をしている。

・・・後ろになんかあるのかな?

疑問に思って後ろを振り向いても、もちろん何もない。

どうしたんだろう?




「あんた、藤原 陽菜乃さん?」

「うんっ、そうだよ。」




話し掛けてきた女の子に、私は頷いた。

・・・あれ?

何でこの子、私の名前知ってるの?

もしかして・・・エスパーっ?!




「丁度良えわ。ウチ、藤原さんに聞きたい事があんねん。」

「ん、何々?」

「藤原さんは・・・忍足君の事、好きなんか?」

「吉野っ、自分何ゆうとんねん!!」

「え。」




質問の内容に頭が真っ白になる。




「別に、気い使わんでも良えよ?私が個人的に聞きたい事やから。」

「・・・。」

「藤原、言わんで良え。ちゅうか言わんでっ。」

「・・・というか、おしたり君って誰?」



すると、2人の目が点になった。

あれ?

私、なんか変な事言ってる?

それにしても、おしたりって人、私の知り合いに居たっけ?

うーん・・・。

思い出そうとしても、全く心当たりがない。

ふと、校舎に付けられた時計が見えた。

って、




「あっ!!」

「どっ、どないしたんや。」

「今ってもうHR終わってんの?!」

「おんっ、もうとっくのとうに終わっとるけど・・・。」

「私っ、帰らなきゃ!!」




直ぐ様屋上のドアから飛び出した。

・・・まさか、2時間も寝てたなんて。

その後、あの2人がどうなったのか、私は知らない。
 

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