偽物ヒーロー
□072年前の悲劇
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「ありえへんありえへんありえへんありえへんありえへんっ!!」
「遥、それ昨日も言うとったやろ。」
体育祭での種目を発表された次の日。
机の上で頭を抱えていると、前の席の白石に話し掛けられた。
因みに、私が出場する種目は二人三脚と借り物競争。
どっちも!!私が嫌いな種目だ。
・・・ホンマよりによって何でこの種目が残ったんや。
去年までジャンケンで決める程、希望者多かったやないか。
「・・・ウチのアホ・・・。」
昨日の自分の浅はかな行動を思い出し、机に突っ伏す。
「そないな事言うたかて、決まってしもたもんはしゃあないやろ?」
(ホンマは、去年遥がリレーで活躍したせいで徒競走とかの走る種目が人気になったって小春から聞いたんやけど・・・これは言わへん方が良えな。)
「せやけど、ホンマにウチこの2種目だけは駄目なんや。」
自慢やないけど、ウチと同じ速さで走れる女子居らへんし・・・。
借り物かて探すのめんどいし・・・。
・・・それに。
「白石も覚えとるやろ?中1の頃の体育祭。」
「・・・あぁ。二人三脚で相手の女の子が・・・舞園さんやったっけ?舞園さんが遥の脚力についていけのうなって、終いには頭を打ちながら引き摺られとったやつやろ?」
「・・・おん。」
あの時、途中から走るリズムが崩れてしまって最終的には舞園さんを引き摺ったまま1位でゴールしてしまった。
あれ以来舞園さん、一回も口聞いてくれへん・・・。
「あの後大変やったなぁ、舞園さん大泣きやったやん。」
「・・・せやな。」
この場を借りてもう一度謝ろ思う。
ホンマに堪忍な、舞園さん。
でもな、ウチを見ると悲鳴を上げながら逃げてくんはええ加減やめてくれへん?
あれ滅茶苦茶傷付くんやで?
それに、この事件の話が広まっとるせいで誰もパートナー組んでくれへんし・・・。