偽物ヒーロー
□05ごめんなさいと帰り道
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「・・・っ。」
図書室を出て全速力で走る。
アカン、もう帰っとるかも。
そんな事を考えながらも速度を緩めずに向かったテニスコートには・・・
「居った。」
白石が、居た。
まだ練習をしているらしく、コートには沢山のテニスボールが転がっている。
・・・周りに人は居らへんみたいやし、部活はもう終わったみたいやな。
何だか話かけるのが悪く思えて、更衣室前で待つ事にした。
・・・。
誰かがウチの名前呼んどる。
「遥っ・・・。」
ちょっ、肩揺すんなや。
「う・・・。」
「遥。早よ帰らんと、日暮れてまうで。」
「んー、・・・後5分。」
「・・・ったく、世話のかかる幼馴染みやな、っと。」
あれ?
何やウチの体浮いとる様な気がする。
「・・・え?」
目を開けると、白石にお姫様抱っこされていた。