偽物ヒーロー
□01その女、鬼姫
1ページ/3ページ
ここ、四天宝寺中学校には鬼の様に強い女が居る。
「おっ、ここ空いとるしこの教室で良えやろ?」
「せやな、あんま放課後多人数でうろついとると人目に付くかもしれへんし・・・。」
その女は素早い身のこなしから一部では鬼兎、又は上の中位のルックスから鬼姫と呼ばれている。
「じゃぁ、田中・・・昨日言うた通り、手始めに3万、俺等一人に付き1万や。」
「・・・。」
そう、そして鬼姫という称号を貰った彼女の名は・・・。
「何しとんねんっ、早よ財布出しいや。」
「あっ・・・はっ、はいっ・・・。」
神崎・・・。
「あー、もう財布ごと寄越しぃ。」
「えっ・・・あ、はい。」
「ひぃーふぅーみぃーよぉー、おっ、自分4万持っとるやん。」
「あっ、それは・・・帰りに参考書買おうと。」
「・・・参考書なんて今度で良えやん、じゃぁ4万、貰ってくでー。」
「えっ、3万って言ったじゃないですか・・・。」
「何言うとんの?自分・・・。」
「えっ・・・?」
「お前に拒否権なんかある訳ないやろ。」
神崎 遥。
「何勝手に空き教室使っとんねんっ!!!」
「?!」
「何やっ?!」
怒声と共にウチはドアを力強く蹴り倒す。
ドアはごっつい音を立てて教室内に倒れて、中に居った男子達の目が点になっとった。
「ったく、つっかえ棒まで使うて・・・ホンマ自分等何しとんねん。これじゃ開かへんやろ。」
「嫌々、自分が何しとんねんっ?!」
「えっ、ウチ?今日の風紀委員の見回り当番に無・理・矢・理(←ここ重要)任命された奴やけど。」
「風紀委員の・・・見回り?」
「おんっ。自分等みたいに勝手に空き教室を使うてる奴等を締め上げて・・・やなかった、注意してー先生にほうれんそうすんねん。」
(・・・今コイツ締め上げるって言いおった・・・。)
「あっ、そうはいらへんか。」
「そっちの問題っ?!」
「まっ、取り敢えずウチは早う自分等を教室から出したいだけやねん。つー訳で・・・出ろ。」
『・・・はい。』
渋々バックを持ち始める男子達。