偽物ヒーロー

□01その女、鬼姫
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ここ、四天宝寺中学校には鬼の様に強い女が居る。




「おっ、ここ空いとるしこの教室で良えやろ?」

「せやな、あんま放課後多人数でうろついとると人目に付くかもしれへんし・・・。」




その女は素早い身のこなしから一部では鬼兎、又は上の中位のルックスから鬼姫と呼ばれている。




「じゃぁ、田中・・・昨日言うた通り、手始めに3万、俺等一人に付き1万や。」

「・・・。」




そう、そして鬼姫という称号を貰った彼女の名は・・・。




「何しとんねんっ、早よ財布出しいや。」

「あっ・・・はっ、はいっ・・・。」




神崎・・・。




「あー、もう財布ごと寄越しぃ。」

「えっ・・・あ、はい。」

「ひぃーふぅーみぃーよぉー、おっ、自分4万持っとるやん。」

「あっ、それは・・・帰りに参考書買おうと。」

「・・・参考書なんて今度で良えやん、じゃぁ4万、貰ってくでー。」

「えっ、3万って言ったじゃないですか・・・。」

「何言うとんの?自分・・・。」

「えっ・・・?」

「お前に拒否権なんかある訳ないやろ。」




神崎 遥。




「何勝手に空き教室使っとんねんっ!!!」

「?!」

「何やっ?!」




怒声と共にウチはドアを力強く蹴り倒す。

ドアはごっつい音を立てて教室内に倒れて、中に居った男子達の目が点になっとった。




「ったく、つっかえ棒まで使うて・・・ホンマ自分等何しとんねん。これじゃ開かへんやろ。」

「嫌々、自分が何しとんねんっ?!」

「えっ、ウチ?今日の風紀委員の見回り当番に無・理・矢・理(←ここ重要)任命された奴やけど。」

「風紀委員の・・・見回り?」

「おんっ。自分等みたいに勝手に空き教室を使うてる奴等を締め上げて・・・やなかった、注意してー先生にほうれんそうすんねん。」

(・・・今コイツ締め上げるって言いおった・・・。)

「あっ、そうはいらへんか。」

「そっちの問題っ?!」

「まっ、取り敢えずウチは早う自分等を教室から出したいだけやねん。つー訳で・・・出ろ。」

『・・・はい。』




渋々バックを持ち始める男子達。
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