偽物ヒーロー

□08一度目の後悔
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「白石、なんぼなんでもそれは無理やろ。」




女子が遥の脚力についてける訳あらへんやん、と謙也が顔の前で右手を左右に振りながら言う。

流石謙也、自分解っとるや




「まぁ・・・速度はチーター並みでも、走る姿は猪みたいやけどな。」




腹を抱えながら笑う謙也。

前言撤回・・・処刑や処刑。




「謙也君謙也君、どの口がそない悪い事言っとんのかな?」




直ぐ様謙也の後ろに回り込み、首締めする。




「遥、ぐびっ!!ぐびじまっとる!!」

「そりゃ当たり前やん、首締めしとるんやから。」

「ギブ!!遥ごれギブ!!」

「えっと・・・すまん、今の日本語?」

「ぼねっ!!ぼね今ぼき言うた!!」

「幻聴やな、幻聴。」

「アガン、ごれボンマにぼね2、3本イッだっで!!」

「よし、そのまま逝け。」

「・・・何しとんねん自分等。」

「じ、じらいじっ。」

「何か、俺の名字がナ○トのジラ○ヤの兄弟みたいに聞こえるんやけど。」




ウチ等2人を呆れた顔で見ると、白石は溜め息をついた。




「遥、ホンマにそろそろ離してやり。」

「えー、それホンマに言っとるんか?」

「遥。」

「・・・わーったわーった、離せば良えんやろ?離せば。」




渋々謙也を解放すると、直ぐ様距離を取られて半泣き状態の顔で睨まれた。

謙也君、睨む目が親の仇を見る様な目になっとるで。




「・・・う゛ぅ、遥が俺の事苛める。」

「え、苛める?何やそれ、美味いんか?」



相変わらず謙也と戯れていると、十神さんの凜とした声が聞こえた。
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