偽物ヒーロー

□03号外
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「・・・。」

「この写真。遥によう似た女子が写っとるんやけど、俺の気のせいやろか?」




気のせいじゃないわ、ボケ。

もう完璧バレとるやんウチ。




「蔵リン、それ何やの?」

「これか?これはな、遥によう似た女子が、昨日カツアゲをフルボッコにしたっちゅう記事や。」

「・・・。」

(フルボッコって・・・そんなのコイツ意外居らへんやん。)




「他にもな。その女子、箒で男子達を殴ったんやて。」

「殴ってへんっ!!竹刀みたいに使うただけや。」

「・・・やっぱり自分やったんやな。」

「どうせ最初から気付いとったんやろ。」

「まぁ、写真見た時にな。」

「何でその記事持っとんの・・・?全部回収した思ったのに。」




この記事に気付いたのは昼休み。

昨日はまさかこんな記事が出てるなんて、自分でも思わなかった。

だから、死に物狂いで回収した。




「やって俺新聞部やし。」




・・・あ。

そういえばそうやった。




「昼休みに財前から号外が出とる話聞いてな、部室に行ったらこの記事を見つけたんや。」




用事ってその事やったんか。

光は耳が早いなぁ。




「・・・前に、もうせえへんて約束したやろ?」

「でもっ!!」




カツアゲされとる男子を見て、ただ単に助けたい思った。

人助けるのってそんなにアカン事なんか?



「でもやない。」

「・・・。」




溜め息をつく白石。

何で?

昔はカッコ良えって言うてくれたやないか。


「遥、もうあの頃とはちゃうんや。自分はもう、ちゃんとした女の子なんやで?」

(白石、コイツはまず女の部類に入るんか・・・?)




ちゃんとした女の子、その言葉がやけに私の気に障る。

何で昔は良くて、今はアカンの?

ウチが女やから?

男やったら良えの?




「次からは真っ先に先生に言うんやで?」

「・・・か。」

「・・・ん?」

「白石の・・・馬鹿っ!!」




白石にミス○の袋を投げつけると、私は屋上から飛び降りた。
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