short×short

□サランヘ〜0610
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季節的には湿気が多いから当然
それにしても尋常ではないくらい喉が乾く








『行かないんですか?』






チャンミンのいつもより低い声にハッとする






『ごめんな、無理言って』





左手の時計は4時を示している





『別に構いません』





チャンミンは充血した目をしぱしぱさせている



悪いと思ったが その仕草が微笑ましかった




ほんとに良い弟を持ったな俺は





ゆっくり深呼吸してドアを真っ直ぐ見つめる







今まだ寝てるよね?






今日が何の日だったか覚えてる?





真面目な君のことだから覚えてるよね





こんなこと言ったら怒るかもしれないけど
忘れられたらどんなに良いか何度も考えたんだ






最近は泣かなくなったんだ




泣きすぎて涙が出なくなったみたい





いつもカメラに向かって僕は笑う





もう僕のことなんか見てないかもしれない






でもね 君が笑い声が好きって言ってくれたから






不自然かもしれないけど

君が見てるって想像すると笑えるんだ







    “ずっと一緒”








もしも今 伝えたら

どんな顔するのかな?









僕には もうそんな資格はないけれど







最後のワガママだけは許してほしい







     『サランヘ』







永遠に君を愛し続けるよ









『ただいま』








ゆっくりとドアを開けた









fin/





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