short×short

□ミアネ〜0610
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『行って来ます』






チャンミンの出掛けて行く音で目が覚めた




ケータイを開くとまだ朝4時だ
スッキリとしない頭で足をもたつかせながらリビングに向かった




キッキンに飾ってあるカレンダー
ふと目に入った赤い丸印を見て自然と笑みが零れる




なるほどチャンミンは気を効かせてくれたのか




『用事もないくせに』








今お前は何してる?



まぁ寝てるよな





今日が何の日か覚えてる?




多分お前は覚えてないだろうけど



きっと優しいから
覚えてるフリをしてくれるんだろう






   “ずっと一緒”





あの夜 腕の中のお前は泣きながらそう言った





これからの将来のことなんて考えたことなかった


どんなに辛いことが起こっても例え周りが敵だらけでも
隣でお前が笑ってれば良い




お前さえ幸せならそれで良かった





   “ずっと一緒”







言葉にする必要性がわからないほど当たり前だと思っていた





今日もニュース覧と週刊誌に並ぶ お前の名前を見つけた





あんなに大好きだった笑い声も今はテレビの中でしか聞けないんだもんな






画面越しの お前に手を伸ばしては触れるブラウン管の感触に

これが“現実”なんだと思い知らされる






もっと伝えておけば良かった





もっと素直になれば良かづた






もっともっと愛し合えば良かった







    『サランヘ』









何度も何度も呟いて
喉の奥が熱くなるのを感じた






ああ神様こんな時だけズルいけど一生の願い事です




お前が笑いかける相手と幸せになれますように






俺がこの日を忘れられそうにないことだけ許して下さい









『ただいま』




ドアがゆっくりと開いた












fin/



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