ヴァンパイア騎士
□ep0.5
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「華蓮…」
…待って…
置いて行かないで…
「すまない…」
お願い
「…必ず…必ず迎えに行く」
…独りにしないで…
―――――――――――――
『……』
目を覚ますと見なれない天井が視界に広がると共に伝わってくる振動。
『……(お兄様…)』
「…華蓮様、どうかなさいましたか?」
『…!いえ…』
聞こえた声にハッとし、無意識のうちに空中に伸ばしていた手をそっと下ろす。
「もうすぐ着きますのでもう少々お待ち下さい」
そこでようやく学園に向かっている車中だということを思い出した。