the surface

□文化祭最終日
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アリス祭4日目最終日───
後夜祭の朝です



「ねーえ!後夜祭のダンスパーティーでラストダンスを踊った者同士が結ばれるって伝説知ってる!?」

「?」

「えーー知らないの蜜柑ちゃん達っ」


「…伝説?」


───後夜祭のダンスパーティーは、どうやらアリス学園における恋の3大イベント(?)の1つらしく朝から女の子達が何やら色めきたっております



「ねえ棗君、流架君、今日ラストダンス誰と踊るかもう決めてる?」
「きゃあきゃあ」



「なあなあ、あれ何?」

その光景を見ていた蜜柑は珍しそうに見る。


「ああ、棗君と流架君のとこに女の子達がダンスの相手の誘いに来てるみたい」

「ええ!?あの棗に!?」

「棗君は元々陰ながら人気あるのよ」


「パーマっ」

自称、棗・流架ファンクラブ会長のスミレも話に加わる。

「ったく!何なのよあの女達
ずーずーしいわね。
あの子達、ちょっと前までは棗君の事怖がって2人を陰から見てた奴らばっかだったのに、ここ最近の棗君、空気がやわらかくなったって評判でいきなりずーずーしい奴急増中よ!」



「うぜえ消えろ」

「やだー」
「こわーい!」


「…それに加えて昨日の劇!中等部にまでヌケガケして“彼女になりたーい”な奴ら出てきて取り締まるの大変なんだから」

「(えー…)」

「ま、あんたみたいな餓鬼には棗君達の魅力は分かんないだろうけど」


 
ガチャっ


『…』

人の多さに思わずピタリと立ち止まる。

たまたま任務から帰ったのが遅く、ギリギリに教室へと来たが


『今日はラストダンス、だっけ』

だから、こんなに人がいるのかと一人納得

…そういえば来る途中にもラストダンスがどうとかと言ってきた人達がいたような気が、



「ちょっと邪魔よ!、棗く〜ん」
「流架くん!」


『!』

───その時、立ち止まっていたのが災いしたのか教室に入ってきた女子達に弾き飛ばされて転んだ柚。



『いた…』



「柚ちゃん!僕とラストダンス、踊ってくれない?」


『?』

急に声をかけられ顔を上げると、中等部生らしき男達が周りを取り囲んでいた。


「俺と踊ろ〜」


『え…』

「困ってる姿も可愛い〜」


何、この数…
どうしよう



「どっか行け」


『あ…』

あたふたしている柚の前に守るように立つ棗。

棗は腕を引っ張って柚を立たせると、周りの男達を一睨みする。


「…っ…」

中等部生達はビビったのか、そそくさと教室を出て行った。



『ありがとう、なっちゃん』

「…別に」



「ねぇ…あの子って確か棗君といつも一緒にいる子でしょ」

「あっちの子、棗君のパートナーになった子でしょ」
「もしかして棗君か流架君と付き合ってる?」

女子達は柚と蜜柑を見、コソコソ言い始める。


「まさかあの子達と踊る約束してるとか?」

「あんなの全然ガキじゃん」
「てか、ちょっと可愛いってだけで調子乗ってるでしょ」



『…』

「何でウチがあんなこと言われなあかんねーんっ!ウチが棗と(まだルカぴょんはともかく)ラストダンスなんて、まして付き合うなんてずぇーーーーったいありえへんわっ!!てか超迷惑」

しっかりと聞こえていたようで蜜柑はキレる。


「…それはこっちのセリフだ」




「はーいみんなー、そろそろ後夜祭の準備しましょうねー」


微妙な空気が流れるまま
会場へ移動となった
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