宝箱U
□エルの絵本〜魔女とラフレンツェ〜
1ページ/5ページ
冥府の闇に映えるは白と赤
手を取り残酷の調べを奏でて
永久に尽きはせぬ呪詛を唱えましょう
そうさながら 狂った歯車のように
振り向いてほしくて唄いました。
背筋も凍る程美しい旋律に、儚くかなしい詞(ことば)をのせて。
奪うために唄いました。
世界が凍る程恐ろしい旋律に、深く冷たい憎悪をのせて。
体を裂くような痛みの中でも絶える事を知らない何時かの音色は、唇から熱を奪い彼を深淵へと導くのです。
ああ、彼は、もうすぐ振り返ってしまうでしょう。
やがて廻り始める歪な歯車の―となりに、そう――――――――裏切りの代償に。
エルの絵本
魔女とラフレンツェ
_