Boy


□True Story
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ゾロがそう迷って答えると、ルフィはにっこり笑った。
「んじゃ、簡単だ。おれも同じだ。絶対戦う。」
「でもおれはおまえに死…」
ルフィは、聞きたくないとばかりにゾロの言葉をさえぎるように人差し指でゾロの口を押さえた。
ゾロがしゃべるのをやめると、船の縁に歩を進め、海を覗き込んだ。
「…勝つか負けるかじゃねェ。勝った時はちゃんと生きるさ。多分…しばらくはゾロの事、立ち直れないかもしれねぇけど。そん時はそん時だ。」
「……。」
「負けたらそうだなぁ…。何て言ったらいいかわかんねぇけど…おれ、ゾロの事死ぬほど好きだから、ゾロがいなかったらダメだ。負けて死ぬなら勝った時みたいに悲しい想いしなくて済むだろうし、何よりゾロと一緒だからな。…それはそれでいいかもしれねェな。うん。とにかくだ、おれは戦うからな!!」
「……。」
ゾロは、胸がすっきりした。
こんなに悩んでいた事がうそみたいに、ルフィは全てを一蹴した。
…そうだよな。
おれは一生こいつについて行く。
絶対別れたりしねェ。
たとえ何がこの先起きようとも、行きつくところまで行きついていたとしても。
愛が永遠で、ずっとこのまま二人愛し合っていけるかなんてわからねぇけど。
ゾロには一つだけ自信があった。
…ルフィの事は一生愛せる。
ゾロは決めた。
…揺るぎないものじゃないなら揺るぎないものにすることができるはずだ。
維持し続ける事は簡単じゃないけどそうでなくちゃ。
ゾロはルフィを後ろから抱きしめた。
「?ゾロ?」
「…好きだ。今までも、…これからも」
「おれも。…ゾロの事大好きだ。ずっとずっと、なっ!!」
うねる水面は不規則な光を放つ。
星は瞬く。
時間は絶えず刻々と過ぎゆく。
…それでも、それが失くなる事はない。


end
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