Boy


□True Story
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甲板に行くと夜の微かな光の中、ルフィは一人夜空を見つめていた。
ドアを閉めるとこちらに気づいたルフィがゾロを見た。
「…ゾロ」
「…悪かった」
そう言って隣まで歩いて行って、肩を抱くとルフィはゾロを見て笑った。
「いいよ。おれ、気にしてないから。おれがわがままだからいけないんだ。」
そう素直に謝ったルフィがたまらなく愛しくて、ゾロは悩んだ。
別れを切り出すか、否か。
…一つ賭けをしてみることにした。
「ルフィ」
「ん?」
呼ばれて覗き込んだルフィの瞳に自分が映った。
「…おまえは、おれがもしめちゃくちゃ強い奴と戦って死んだら…どうする?」
するとルフィはなんだ、と笑って答えた。
「決まってるだろ?そいつと戦うよ。…当然だろっ?」
ゾロはルフィを抱き直し胸に収めた。
「戦わなくていい。…もしおれがそうなった時、おまえは生きろ。わかったか」
ルフィは、ゾロの腕の中にしばらくそのままおさまっていたが、首を振りながらゾロから離れた。
「そんなのダメだ。…おれ、そんなことできない。ゾロはどうなんだ?おれがそうなったときはどうするんだ?」
「わからねェ。…おれもおまえの言うとおり戦うかもな…。」
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