Boy


□True Story
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おれ達はグランドラインへ来た。
ルフィに会ってもう何日すぎたか…。
今までいろいろあったな。
たくさんのやつと戦って、勝って…一回敗けた事もあった。
あいつは…ルフィは今のところ負け知らずだ。
ルフィの事は出会った時からずっと、ずっと好きだった。
あいつの事を一瞬だって忘れた事なんてない。
今自分が、息をしている、聞こえている、見えている、感じている。
この五感だけじゃなく、体全体で自分が生きていると実感できるのはルフィに会ってからだった。
『生きる』事について考え始めたのもルフィに会ってからだった様に思う。
昔、ここまで夢中になった人が自分にいただろうか。
…違う意味ではいた、といえるかもしれない。
…くいなはルフィとは違う。
でも、ときどき重ねてしまう時がある。
それは、あいつが大事な約束をした人だからだ。
もう二度と、大事な約束をした人を亡くしたくない。
…そのためには強くならねェと。
あいつは強いし、簡単にはくたばったりはしないから、守ってやる必要もないかもしれないが、もしもあいつが死にそうな時おれはあいつの為に戦って勝てるのか…?ゾロの胸を不安がよぎった。
「そろそろ…潮時なのかもな…。」
おれは、あいつの事が好きで好きでたまらない。
…でも、おれ達は行くところまで行った。
後を二人が待ち受けるのは、別れのみだ。
覚悟してきたつもりだった。
もしかしたら、明日はどちらかがいなくなるかもしれない。
自分がいなくなるのは別にかまわねェ。
でも、あいつがいなくなるのは嫌だ。
…あいつを失う事が何より恐ろしい。
…その前に。
自分からあいつを突き放してしまうべきなのか。
…ゾロは考えていた。
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