Girl


□Lion Girl, with Wolf Boy
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「それですっ!!ルフィさんっ。おかげで僕も目標だった予選突破したんですよ!!みんなルフィさんのおかげですっ!!稽古の後、いつも相手してくださったからです!!」
「そんなことないよ。コビーが頑張ったからさ。やったじゃんっ♪」
「ハイッ!!」
さっきから予選とか言っているが、…実はここ柔道場なのだ。ルフィは小学4年の時からこの道場に通い始めた。そして1年たった時、入ってきたのがコビーだった。それ以来6年間ずっと二人はこの道場に通う同じ仲間で友達だ。…少なくともルフィにとっては。
「ルっ…ルフィさんっ」
「ん?」
ぴたっ、と歩みを止め、両こぶしを作るとうつむいてわなわなと震え始めたコビーにルフィは振り返り、立ち止まって首をかしげた。…言う。今日こそは言うぞ!!目標を越えたら言おうと思っていた。コビーは意を決した。
「ぼっ…僕はっ…」
「?」
「僕はー!!」
「おーい、コビー!!ルフィ!!始めるってよー!!」
「ん?あ、今行くー。んじゃコビー。着替えてくるな!!」
「はっ…はい…。」
…今日も言い損ねてしまった。コビーはため息をついた。
「なんだよ。また言えなかったのか?」
後ろから声がしてコビーは振り返った。
「ヘルメッポさん…って、邪魔しないでくださいっ」
「さあなー。おれは邪魔した覚えは…」
「だったら後10分もあるのに呼ばないでくださいよっ、もう」
そういいながら、コビーはすたすたと着替え室に入った。ロッカーに着替えを入れ、柔道着を着ながら、ルフィの姿を思い浮かべた。
「ルフィさんってば…ホント鈍いんだから。…僕は、ずっと…ずっとあなたの事…。」
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