Girl


□大嫌い、大好き。
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「ん…」
目を覚ますと大きな和室に敷かれた布団の上に横たわっていた。ジョニーとヨサクがタイミングよく部屋に入ると目を覚ました少女を認識するなり、声を上げた。
「アニキー!アニキ!目覚めたみたいっすよ!」
ゾロはその言葉を聞き、少女の寝ている部屋にやってきた。周りをキョロキョロと見回しているその少女にゾロはしゃがんで問いかけた。
「目、覚めたか」
少女はゾロを見るなりきょとん、とした瞳でコクリと頷いた。
「ここどこだ?」
「おれの家だ。別に何もいかがわしいことはしてねぇよ」
「うん、そりゃわかるけど、なんでおれここにいんのっ?」
彼女の一人称が思いっきり男言葉なのだが。しかし周りに男ばかりのゾロにとっては喋りやすいのでたいして気にならなかった。
「覚えてねぇのか?おまえ」
「?…あっ!あの時の!」
腕を組んでしばらく首を傾げた彼女だったが、思い出したらしくポン、と手のひらを叩いた。ゾロは少女の隣に胡坐をかいて座った。
「一体どうしたんだ?借金がなんだとか言っていたけどよ…」
少女は少しうつむいた後、ゾロの顔を桃色の頬で見上げて笑った。
「さっきは助けてくれてありがとうっ!それが、身に覚えがないんだ…」
「?そりゃどういうことだ」
「おれ、ルフィっていうんだ。モンキー・D・ルフィ。あの二人組、急に尋ねてきて借金払え、って言い出したんだ。しかも書いた覚えもないサインも持ってきて。おれ、親も兄ちゃんも借金なんてするわけないから変だと思ってそんな借金知らないって言ったら嘘つけ払え、って。それで逃げたんだけどしつこく追ってきて困ってたんだ」
「なるほどな…ヒデェ奴もいるもんだ。ルフィ、つったっけか」
「う、うん」
「おれはゾロ。この組の組長やってる。さっきお前を医者に見せたら足を軽く打撲しているらしい。後はかすり傷くらいで大したことはねェらしい。今家に戻ったらまたあいつら来るかもしれねぇからな…ほとぼりが冷めるまでここに居てもいいぞ」
「え、ホントかっ!?」
ルフィの表情がパッ、と明るくなった。
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