Girl


□大嫌い、大好き。
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「あ、ああ…大丈夫か?」
「こっちは何とも…あっ!」
そう彼女が大きな声を上げた時彼らに引けを取らないようなガラの悪い男二人組が路地を抜けて来た。
一人は黒づくめにサングラスと煙草をくわえ、もう一人は白のタンクトップにズボン、手にはナイフを持ち、身体中に刺青があった。
「ああん?逃げようったってそうはいかねぇぜ?」
「借金置いて逃げようってのか?このアマ!」
少女は立ちあがると二人の男にイーダをした。
「借金なんて身に覚えないって言ってんだろーがっ!肩代わりした覚えもないしそんなサインもオレのじゃないしっ!それ以上しつこくすると警察呼ぶぞ!」
「払えねえってんなら無理にでも払ってもらうぜ」
「その体売ってでもな!」
「……。」
「よく見りゃかわいい顔してんじゃねェかおめぇ」
「一月一千万くらい簡単に稼げんじゃねぇか、ああん?」
男は少女に詰め寄ると彼女の腕を掴んだ。
「やっ、離せよっ!」
「そうごちゃごちゃ言うなよ、へへっ…」
嫌がる少女を見ていた男は、男達に向かって歩き出した。
「ゾロのアニキ?」
「アニキ?!」
男…ゾロが一人の男に殴りかかろうとした時だった。
「いい加減に…っしろっ!!」
少女はいい音をさせてパンチを少女の体を押さえつけていた背後の男に食らわせた。
パンチを食らった男は鼻血を出して背後に倒れた。
「このアマ…!」
もう一人の男がナイフを持って襲いかかってきた。
少女が身構えて迎え撃とうとした時、ゾロが男の右手を掴んで蹴りを食らわせた。
「身に覚えねェつってんだろ。さっさと失せろ」
ゾロがギロリとにらむと鼻血を出して倒れていた男がびくりと体を震わせると怯えながら鼻を押さえて蹴りをくらって倒れている男を引きずってほうほうのていで逃げて行った。
ゾロは、自由になった少女に声をかけた。
「おい、大丈夫か」
少女がゾロを見上げて頷いたと思ったらそのまま倒れそうになってゾロは腕を掴んだ。少女はそのまま脱力してしまった。
「おい、大丈夫か?おいっ!」
少女は意識が遠のいていった。
…ゾロの言葉を聞きながら。
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