Boy


□恋話。
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「あんたたち、私に何か隠してるでしょ。」
太陽がさんさんと降り注ぐ海の上。今日も快適に海を進むゴーイングメリー号の甲板で航海士ナミは腕組みをして野郎共に言い放った。特等席の船首に足を組んで座っていたルフィ、新作パチンコを製作中のウソップ、寝ていたゾロ、煙草を吸っていたサンジが後ろを向き、みんな一斉にナミを見た。
「「「「あっ?(えっ?)」」」」
「『あ』じゃないわよ。何か隠してるでしょ。」
ルフィが汗をだらだら流しながら視線を空に送った。
「お、おれは嘘つかねーよぉ?」
「おれだってナミさんに隠し事なんか…。」
ナミに目を合わせないようにしてちょっと怪しそうなサンジも、
「なんでおれが隠さなきゃなんねーんだ…。」
ナミに背を向けて再び寝る(振りをする)ゾロ。
「そ、そーだよなぁ?隠し事なんてなぁ?おれ達がナミに隠し事なんてなあ。な〜??」
と、男性諸君に『まさに嘘ついてます。』って顔で話をふったのはウソップ。
「おれたちが嘘つくような顔してるか?よーく見てみろよ、ナミ。」
ナミが腕組みをしたまま目を細めた。
「アンタが一番、信用がおけないのよ。」
ウソップはあらっ、とこけた。
ナミがふう、とため息をつき、全員を見据えた。
「じゃあ…私に隠し事なんてないのね?」
「お、おう。」
「も、もちろんですとも。ナミさん」
「当たり前だろ?」
「あ、ああ。誓うぜ!!」
ルフィ、サンジ、ゾロ、ウソップの順に野郎共が答えた。
「…ならいいけど…。」
ナミは半信半疑で野郎どもを見て、デッキチェアに座った。野郎共が全員ホッとため息をついた。「「あぶねぇー…」」
ウソップとルフィがナミに背を向けると腕で額の汗をぬぐった。
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