Boy


□幸せ!海賊団計画!!
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…ある日の日中。よい天気。快晴だ。しかし…。
「なぁルフィ」
「ん?」
ゾロがルフィの前に立ちはだかって言いにくそうに言った。
「最近おれに冷たくねェか?おまえ」
「べつに〜。んなわけないじゃん。」
腕組みをしていたゾロが腕組みを解いて言った。
「じゃあ…これは何だよ」
ゾロが指さしたのは、ルフィの両腕に抱かれているチョッパーだった。
「何って、チョッパーじゃん」
「そういう事を聞いてんじゃねェよ、おれは!ったく…」
ルフィがちょっとむっとして言った。
「ゾロこそなんだよっ。この手は!!」
気付かぬうちにゾロの右手はチョッパーの角を握っていた。
「なっ…!!」
ルフィがずいっ、とゾロの前に進み出ながら言い続けた。
「冷たいのはゾロだぞっ!!だってこのごろ“好き”って言ってくんないしっ!!それだけじゃねぇもんっ!!このごろエッチだってしてくんないじゃんかーっ!!」
その迫力に圧倒され、甲板のフチ辺りに後退しながら追いやられたゾロは少し焦って言った。
「バッカ!!…それを言うな!!聞こえるじゃねェか!!あいつらに!!」
ゾロが指差す方向にはナミをはじめサンジ、ウソップ、ビビ、カルー全員がいる。
ナミがゾロに聞こえないくらい小さい声で他のみんなに言った。
「聞こえてるわよ」
「うん。うん。」
みんなそっと頷く。
その瞬間、ルフィが彼らの方を向いた。一瞬ビクッとする全員。
「……。」
数秒間ルフィが彼らを見て再び視線を戻した。みんなホッとした…と。
「お前おれの事本当に好きなのかよ?」
ゾロがそういうと。ルフィがついにキレた。
「ブチッ。…なんだよっっ!!おれをうたぐってんのかっ!!ゾロ!!ゾロこそおれの事嫌いんなったんじゃねーのかっっ!?…もーいいよっ。行くぞっ。チョッパー」
「?」
何が起こったのか理解できていないチョッパーを抱いたまま、足早にあっちの方へ歩いて行ってしまったルフィ。と、その場で頭を掻きむしりながらドカッ、と腰を下ろしたゾロ。その一部始終を見ていたみんなは顔を見合わせた。その後、再びゾロを見て、ナミが言った。
「夫婦ゲンカなのかおもちゃのとり合いしてる子供の喧嘩レベルなのかわかんないわね。」
「でもナミさん、ケンカするほど仲がいいって言うから。…」
「いやー。しかしあれはチョッパーがかわいそうだぜ。」
「だよな。」
「クエ―。」
「ま、早く仲直りしてくれるといいんだけど。」
「そうね…。」
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