京極堂
□
『原作本』
1ページ/1ページ
◆百鬼夜行シリーズ
※京極堂シリーズとも呼ばれますが、著者はシリーズ名を定めていません。
【本編】
『姑獲鳥の夏』
『魍魎の匣』
『狂骨の夢』
『鉄鼠の檻』
『絡新婦の理』
『塗仏の宴』
『陰摩羅鬼の瑕』
『邪魅の雫』
【番外編】
『百鬼夜行 陰』
『百器徒然袋 雨』
『今昔続百鬼 雲』
『百器徒然袋 風』
講談社ノベルス他(分厚い)
『姑獲鳥の夏』あらすじ
古書店・京極堂に旧友の小説家・関口は話を持ってくる。いわく二十箇月もの間、妊娠している女性がいるらしいと――。
※注意!
ほとんど自分語りの初心者向け記事です。気にならない方のみ読んでください。
◆読みポイント?
「漢字と分厚さで手が出にくい」「手がしびれて挫折した」系のコメントいただく度に、深〜くうなずいてしまいます。
私も頭が若々しかった学生時代ならともかく、社会人になってからは読み返しがキツいので、あまり偉そうに語れませんが、いくつかポイントを。
まず初挑戦なら文庫版はなるべく避けましょう。特に分冊はやめたほうが無難。初読みは途中で挫折しやすいです。
登場人物が死ぬほど出てきて、実際次々死んでいく巻は頭が混乱すると思いますので、後期の作品より前期四冊くらいが安全圏です。
まあそこが京極本のミソでもあるんですが、慣れないと活字酔いしますからね。活字酔いという言葉自体が京極夏彦以後じゃないかと思う。
うまく表現できませんが、クラクラしてきたら無理をせず、酔いざましに漫画とか用意しときましょう。
背表紙は気をつけないとポッキリ折れますよ。けっこう手間なの。
◆どの作品から読もう?
短編集はメフィスト連載時から話題だった榎木津探偵主役の『百器徒然袋 雨』の出来が非常にいいですから、このあたりから入ってみると易しいかもしれません。
映画版・漫画版・アニメ版に関しては専門外ですが、トータルで見ると二作目の『魍魎の匣』が一番まとまってると思います。映像化しやすそう。
逆にいうと小説でないと絶対駄目、というのは一作目の『姑獲鳥の夏』だけで、残りは映像から入っても大丈夫だと思います。
◆注意?
好みもあるんですが、基本的にエログロ描写が無理な方や、精神的にぐるぐるしてる方は避けたほうが無難です。
本は根気と諦めが肝心。合わない本、読めない本は、そのとき読むべき本じゃないだけ。読まない本も手元に置いてください。積ん読が世界を広げる。
『人生は短い。あの本は読めてもこの本は読めない』とラスキンも言ってたはず。ラスキンがどこの誰だか覚えちゃいないけど(モップの……それはダスキン)。
もう少し続きます〜
◆著者って?
編集部にいきなり送りつけた『姑獲鳥の夏』があまりに素人ばなれしていたため、「講談社に対する挑戦状か」とまで言われ物議を醸し出した。なぜか穴の空いた黒い手袋をつけている。昔はGL*Yのテルに似ていたためむつご説がある。テキスト(原作)史上主義で作品インタビューではどんな質問にもめったに答えてくれない等々
著者にまつわる逸話もいろいろあって面白いですよ。読んだらすぐに処分する森博嗣とは真逆で絶対本は捨てられないとか。文系理系で比べられることも多かったように思うんですが、その違いなんでしょうか。
◆京極作品って?
時代劇フェチのようで随所に影響が見られます。でも京極堂シリーズがお口に合わなかった場合にご紹介したいのは
『どすこい(仮)』集英社
↑(仮)までがタイトル
収録作
四十七人の力士
土俵(リング)でぶせん
脂鬼
すべてがデブになる
パラサイト・デブ
他
京極夏彦自身による有名作家のパロディ本。くだらない本。超くだらない本。おすすめはハードカバーで。超賛否両論な本を紹介に持ってくる……いやいや、ちゃんとした理由もなくはない。
筒井康隆の短編でひたすらお相撲さんが追っかけてくる超怖い話があったと思うんですが、これがまさにそれです。
発売当初ちょうど小野不由美『屍鬼』を読み終わったところで、やおい同人作家が一度はみんな抱いたが考えないようにしていたであろう疑問をさらっと書かれてしまいまして。
主人公の坊主が禿げているか否か。
笑うんだけど笑えないノリが私のお口には合いました。他作を押しのけ最高傑作品としてまつりあげています。
BL界に坊主萌えがくるのはもう少し後になるんですが、私は根っからハゲ萌え・ヒゲ萌え・おデブ萌え属性があったため、当時は「もっとハゲブームきてくれないかな……」と本気で思っていました。そのうち友人の策略でヒゲ萌えにまんまと落ちるんですが。
どすこい本を出すとか出たとか出ないとか言ってたおねぇさま方もどってきてくださらないかな……という期待をこめてコレをオススメします。
どすこい。
2013.11.12
※このページがあなたのお役に立てれば幸いです。
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ