SS戦国BASARA
□小指の約束
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『平和な天下を造る。』
それがワシの夢だ、覚えておけよ?
彼は言った。
『家康さんらしーね。』
夢物語じゃないか。
そう言いかけ言葉を飲み込んだ。
『そこでだ、柚木。ワシと一つ約束をしてほしい。』
『約束?』
『ああ。もしワシが、この夢を叶えることができたなら…』
私はその時確かに頷いたことを覚えている。
『約束だぞ、柚木!』
差し出された小指に触れた。
『(指切りなんて…)』
『子供っぽいか?』
『…いえ、懐かしいなぁ、と』
意味などなかった
そんな世が造り出せるだなんて誰も思っていなかったのだから。
【小指の約束】
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