小説2
□*いつかの会話
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「ヤッホー陽一!」
「・・・・なんでお前が付いてくるんだよ・・・・・・」
ある日の午後。
郁は手塚家に来ていた。
柴崎とただお茶を飲みながら、お喋りしようとした時、
「あたしも行くー!」
何故か望まで手塚家に遊びに来たのだ。
「陽一〜愛想悪いわね〜そんなとこ光に似なくていいのに」
我が子でも容赦しないのが柴崎だ。
「・・・・・もしかしてお前・・・」「うん!宿題わかんないから教えて!!!」
やっぱりか・・・・・
望を除く三人は同時に思う。
望と陽一は同級生同じ学校同じクラスだから、出る宿題も同じで。
しかも大の勉強嫌い。
宿題なんかやるより外で走っている方が断然楽しい!!
・・・・と言う昔の郁そのものの思考回路を持つ望。
郁も気持ちはわからなくはないが・・・
「望〜宿題くらい自分でやりなさいよ」
「えー。だって先生の言ってる事わかんないし、陽一に習った方がわかりやすいんだもん」
「「・・・・・」」
「笠原、さすがあんたの娘だわ。無意識にあんな可愛い事言うなんて」
柴崎は感心通り越して呆れている。
「陽一〜お願い〜!」
「何で俺がお前の宿題手伝わなくちゃいけないんだよ」
正論です。陽一君。
「えー。ならバラしちゃお♪・・・麻子ちゃーん!今日ね陽一ね〜♪」
「!?」
陽一は青くなりながら、走りだした望を止める。
「わ、わかったから教えるから!」
だから今日の事は誰にも言うな!!
それを聞いたとたん望は満面の笑顔になる。
図ったわね望・・・・・・・
「なんか望のああゆうとこ誰に似たんだろう・・・」
どう考えても柴崎になる。
「んー?堂上教官じゃない?あの人ああ見えてやりそうだし。あんたが一番わかってるんじゃないの?」
「・・・・・・・////」
恥ずかしい事を思い出してしまった郁。
わかりやすいんだから。