小説

□*サガシテイル背中
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『こちらは関東図書隊だ』

あの書店での出来事が、あたしの人生を変えた。


大好きな童話を買いに行った書店でそれは起こった。
店内が騒めく。
何事だろうと入り口を見ると・・・・・・・
良化隊・・・・・・・?!

唖然とした空気の中、検閲は執行される。
雑に、乱暴に扱われる本たち。

あたしはとっさにその童話をブレザーの中に隠した。
その童話も検閲対象・・・狩られる本だったから。

検閲が終わって、良化隊がいなくなったら買おう。
それまで見つからないで!!
「そこのお前、何を隠している」
!!??

良化隊員は他の誰でもないあたしを見て言った。

み、見つかった!!!!

「きゃっ!」

ブレザーから隠していた本が床に落ちる。

検閲対象だと、良化隊員はその本を乱暴に扱う。

待ってよ・・・・・
何で?
あたしはずっとその童話の続きを楽しみにしてたの。10年間も・・・・・
なのに・・・・・!!

そう思った時、無意識に身体が・・・・・・
動いていた。

本を奪い、身体の中に強く握って隠す。

「貴様何をする!」
「万引きで警察に行きたいか!?」

!
万引き!?
違う違う違う違う・・!!

まわりを見る。
助けてくれそうな人は見当たらない。
店長さんを見ると、
“逆らうな”
そう言っているような気がした。

わかってくれてる。

盗った本がなければ万引きは実証されない!
それにこの本だけは・・・・
守りたい!!

あたしは捨て身の・・・・・ありったけの勇気を振り絞って言った。

でも、さすがに男の人の力にはかなわない。
突き飛ばされる。

ヤバイ!


その時だった。
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