お題

□横断歩道
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「陽一、横断歩道のしましまあるじゃん」

学校からの帰り道。
赤信号で止まっているとふいに望は尋ねてきた。

「しましまって・・・あれか?」「そう、あれ」

指差した俺に対して望は頷く。

それにしても・・・

「何でいきなり?」

怪訝な顔で問う俺に望は言った。

「あたしらがまだ幼稚園ぐらいの時、黒いところは踏んじゃダメで、白い線だけで渡りきろう!!って勝負したじゃん」
「そんなことあったな・・・・」
確か発案者は望だったはずだ。
記憶が確かなら、その勝負は俺の勝ちだった気がする。

「んで、ものは相談だけど・・・・・・」
「やらないからな」
「・・・・まだ何も言ってない」「お前の考えてる事はすぐわかるんだよ」

あの時みたいに勝負しよ!!と考えたにちがいない。
高校生になってまで、そんな事したくない。

「やるの!」
「嫌だ」
「いいじゃん一回ぐらい」
「高校生になってまでやることか?」
「うん!」

笑顔で断言する望。
呆れるが、彼女らしい。

「ねぇ、やろ?お願い!」

好きな女が上目遣いで頼んできたら・・・断れない。
惚れた弱みだろう。

「・・・・一回だけだぞ」
「やった!」


信号が青に変わる。

「よーいスタート!」

二人一緒に走りだした。
あの頃とは年齢も体格も違うけど、無邪気に勝負する俺たちは変わってないのだろう。

こんな横断歩道の使い道はありなのかな?




《横断歩道》

彼女の視点からでは、横断歩道も勝負道具となる。



fin



わけのわからない初お題小説。
横断歩道で一回は経験あるよね?

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