小説2

□*幼なじみor恋人?
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2年1組
私のクラス。

私は合唱部だから朝練はない。
でも早めに登校してる。
何故なら・・・
朝練をやっている手塚君を見ていたいから。


手塚君は陸上部に所属していて、走る姿はかなりかっこいい。 
見惚れてしまう程。

私は高校入学で彼を一目見て好きになった。
俗にいう一目惚れだ。


朝練が終わり、手塚君とその友達がこっちに来る・・・・んじゃない。


「陽一〜、今日の数字の宿題見せて〜!」
「お前またやってこなかったのかよ・・・」
「やったけど、わからなかったの!解こうとしただけ偉いでしょ?」
「まぁ・・・そうだな。仕方ないから見せてやるよ」
手塚君は数学のノートを彼女の・・・堂上さんの頭にのせる。
「サンキュー陽一!」



手塚君は男友達ではなく・・同じ部活、そして幼なじみの堂上さんと一緒に来る。
朝練があってもなくても。それは変わらない。


「望――!何朝から手塚といちゃついてんのよ」
「付き合ってんじゃねーのおまえら」
「「付き合ってない!!ただの幼なじみだ!」」

クラスメイトのからかいに同時に否定する。

いつも一緒に登校し、仲が良い二人は付き合っていると傍から見ればそう見える。
だけど二人はすぐ否定する。“ただの幼なじみ”だと。だから私は素直にその言葉を信じている。 

たとえ仲が良くても、それは幼なじみだからだと。

そう思っても嫉妬してしまう。
私が手塚君の幼なじみだったらなぁ。
なんて考えてしまう私。



キーンコーンカーンコーン・・・・・・・

チャイムが鳴り、今日の授業が始まる。




私の席は窓際の後ろから四番目。
手塚君の席は廊下側から四列目の前から二番目。

丁度私は手塚君が見える。
だから私は先生の話も聞かず、いつも手塚君の横顔を見つめている。

真面目に授業を受けている彼は、走っている時とは違うかっこよさがある。


手塚君の隣の席は堂上さん。ちょっと気になるけど、私は彼の隣の席に絶対なりたいと思わない。

隣になったら話し掛けるチャンスが増えるけど、私は手塚君の横顔を見つめる方が楽しい。

彼のひとつひとつの仕草にドキドキしてしまう。



ずっと見つめていたら、目が合った。



・・・・堂上さんと。


彼女はニコッと笑って再び目線をノートに向ける。



手塚君と目が合う方が数倍も嬉しいんだけどなぁ。

それが中々上手くいかない。
手塚君の方が視線に敏感そうなのに。


軽くため息をつく。
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