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ネタ帳です。

突発文、短文などを……。
◆二つの銀世界 



※数年後設定銀時独白

















雪が降ってた。







あの日は江戸に雪が舞い降りて、新八も神楽も定春もはしゃいでいた。遊びに行こうと手を引かれしょうがない、なんて思いながらも俺達は外に出ていつぞやの雪祭の時のような雪合戦をして遊んでいた。途中で市内巡回中だった沖田君、ジミー、ゴリラも参戦してきて、それを止めに来た土方に雪玉を当ててやれば逆上してやり返された。いつまでもこんな時間が続けば良い。地面は雪一色で、文字通り綺麗な銀世界だった。走り回った証拠に、足跡が沢山付いた。



本当に、沢山。




















あの日より、今日の方が沢山足跡が出来た。







何十人、何百人、何千人分もの足跡。それなのに俺は独りだった。ここは銀世界なんかじゃない、ただの地獄だ。本来綺麗な銀色であるはずの雪と刀は真っ赤に染まって汚れてしまい、とてもじゃ無いが綺麗とは言えなかった。たった今雪上で行われてた合戦はちっとも面白くもない。いつまでこの時間が続くのかは分からない。楽しいと感じられたのは、いつが最後だったっけ?







雪は止み、この世界が銀世界に戻ることはなかった。











――――――――――――
今雪が降っているので突発的に。

ひっさびさにダークを書いてみました!
数年後設定で白夜叉再びな話。雪見てこんな暗い話を思い付くなんて……(汗)

2011/02/11(Fri) 16:37

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