キスして窒息
□トモダチ宣告
3ページ/73ページ
にっこり笑って私にそう言うと、丁寧に手をあわせていただきます、と言って私の手作りのお弁当を口に運び始めた。
梅雨が明けて、本格的な夏がやってこようとしていた。
今日は風が涼しいから過ごしやすいけれど、日陰に居なければ簡単に日に焼けてしまうだろう。太陽が眩しい。
…今までだったら確実に家でごろごろと過ごしていただろうな、こんな暑い日。
日焼け止めクリームを全身にしっかり塗って、帽子を被って。
ロールアップしたジーンズにスニーカー、Tシャツというカジュアルな服装。薄化粧を施した顔。
バッチリメイクじゃないのは、薄化粧の方が良いと言われたから……なんて、乙女な理由だったりする。
全て、今となりにいるこの男のためだった。