アンソロジー第2弾

□その唇で僕の名を
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…けれど高校は違う。

年が明けてからは片手で足りるほどしか学校に来なくて良い、…いわゆる自由登校だったから、夏休みや冬休みのような長期の休みの真っ只中のような感覚で。

その上卒業式の練習だって、前日にしかないのだ。

こんな状況で、卒業を実感しろ、という方が無理な話である。




「あと1週間だからって気ぃ緩めるなっつーの」

「っわ、…もー、先生!ぐちゃぐちゃにしないで!」

「佐伯の頭がそこにあるのが悪い。間違いない。」



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