キスして窒息

□アネモネ
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「あー、これは、…」


スラリと痩せている体型からは想像できないような、骨ばっていて男らしい手が握るシャーペンの先を視線で追いながら、なっちゃんの声に耳を傾けて、こくりと頷いた。




…この距離は、私が受験生のときだけの特権だった。


前は私が中3で、なっちゃんが高3のとき。

自分も受験生のくせに、あのとき私の家庭教師をすると言い出したのはなっちゃんだったっけ。
 
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