キスして窒息
□アネモネ
1ページ/50ページ
「なっちゃんわかんない」
「俺のことはわかるでしょ。日本語を話しなさい、日本語を」
「…ここわかんない」
「どれどれ」
そう言いながらスッと私達の間にあった距離が縮む。
私が指差す問題を見つめるなっちゃんの体温が、呼吸が、いつもなっちゃんがつけている香水の香りが、すぐ近くに感じるおかげでドキドキして問題に集中できない。
教科書におちるなっちゃんの影すら、なっちゃんとの距離の近さを感じるものでしかなくて、ドキドキが更に加速する。
→
次へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ