ポケスペ

□眠れる朝
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「ゴールド」

「んー?」

「いい加減起きろ」

「んー」

「何時だと思ってるんだ」

「んー?」

「もう十一時だぞ」

「んー」

「……………」

「・・・」

「……………」

「んー?」

「・・・五秒で起きないと犯すぞ。ご「おはようシルバー!!」

「っち、」


ごろりとベッドの上で寝転がると、いつもの服装のシルバーがいた。もう着替えてしまったらしい。
それに比べてオレはまだ昨日のコトが終わったままだ。
服を探してみたけれど、起き上がれないと取れそうもない位置にあったので起きる気が失せた。
布団にくるまって二度寝モードに入る。


「こら寝るな。マジで犯すぞ」

「いーじゃんよ、別に。何もねーんだからさぁ」

「・・・お前本当に寝起き悪いな」

「あざーっす」


適当に会話を切って寝ようとしたら、べしっと頭をはたかれた。
割と痛い。


「いってーな」

「そっちが起きないからだろうが」

「なんでシルバーはそんな早起きなんだよ・・・」

「十時起床は早起きとは言わない」

「うっそ。十分はえーよ。もしかしてどっか行くの?」

「行かない」


言いつつベッドに座っていたシルバーが立ち上がる。
やっぱどっか行くんじゃねぇか。


「違う、風呂入ってくるだけだ」

「え、オレも入る!」

「二度寝するんじゃなかったのか?」

「入ってから寝直す!」

「馬鹿か、お前。オレの後に入れば良いだろうが」

「シルバーの後とかすっごいヤなんスけど」

「何で」

「汚く使いそうだから」

「っは、お前じゃあるまいし」

「うっわ!!言ったな!?」


睨めば、シルバーは楽しそうににやりと笑い。


「何なら一緒に入るか?」

「ぜぇったいに、嫌!!」


即答したのは、過去に前科があるからだ。
まさか風呂ん中でちょっかい出されるとは思わなかった!
自分のウカツさに涙が出る。


「じゃ、諦めてオレの後には入れ」

「え!?ちょっとストップ…」


最後の制止の言葉を見事にスルーされてしまった。
むくれていると、程なく、水音が聞こえてきて。

今、オレからちょっかいを出しに行ったらどうなるのだろうかと思ったが、返り討ちに遭いそうだったので止めておいた。










何がしたいの私。

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