ポケスペ
□夜の告白
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気づけば横で寝息をたてていた。
良く言えば無邪気な、悪く言えば馬鹿っぽい寝顔。
先程の痛みと快楽に耐えていた表情とは大違いだ。
汗で貼りついてしまった自慢の前髪を指先でどかしてやる。
と、それに気づいたのかゴールドは金色の目をゆっくりと開いて。
見るともなしにこちらを見る。
手を動かしてオレの腕を掴んだと思えば、ことんと目を閉じてまた眠りに落ちた。
掴んできた手をゆっくりと剥がしながら、愛しいな、などと思う。
好きなら好きって言えよ、とゴールドは訴える。
本からそういう性格のやつだし、そういうのが恋人としての「フツー」なのだろう。
頭ではしっかり理解していた。その理由も必要性も。
でも、言わなかった。否、言えなかった。
理由は単純明快。
拒絶されるのが怖い。
受けとめてもらえなかったら嫌だ。
信じてない、とかそういうのとは違って。
もし、ゴールドの答えが拒絶でもアイツはその答えで人を傷つけたりはしない。それも分かってる。
分かってるのに、言えない。
誰か刃物でも持ち出してこちらに向けてくれたりすれば言えるかもしれないが、生憎そんな人はいない。
結局口に出せずに「好き」は溜まって。
やり場を知らないオレは、それをゴールドを押し倒すことに費やす。
歪んでる。
そこまで分かってるのだけれど。
なにも言わずに受け止めてくれるゴールドに甘えて。否、優しさに浸け込んで。
剥がしきったゴールドの指を見つめる。
指先に唇で触れれば、ほんのりと温かかった。
「・・・ゴールド、愛してる」
小さく呟いてみたのだけれど、刃物持った誰かがいない所為か、上手くはいかなかった。
銀(→→)←←金、みたいなイメージです。()は、心の中では思ってるんだよ!的な意味合いです。
ゴーはオープンというか、好きな人には好き好き言ってそうですが、シルバーは言えない人かなぁと。
ベタ甘好きだからか、ちょっとひねくれた両想いが好きです。←