ポケスペ
□所有印
1ページ/2ページ
後ろから抱き締められた。それも突然。
「何だよ」
「別に」
何にも無いならやるなよ!と突っ込みたくなってしまうが、そんな気持ちは分からない訳でもなく。
仕方なく黙って抱き締められていると、シルバーが不思議そうに尋ねる。
「怒らないのか?」
「怒って欲しいのかよ」
「いや、別に」
シルバーの質問の意図が分からない訳でもないので答えてやる事にする。
「たまには抱き締められんのもいいか、と思っただけ」
「・・・」
せっかく答えてやったのに反応無しかよ、と言おうとしたら、
シルバーに首筋を噛まれた。
「っ!?」
ちりっ、と甘い痛み。
あまりにも一瞬でコエをあげる暇もない。
「何すんだよ!?」
思わず声を荒げると、しれっと返された。
「印つけたくなるほど可愛い事言うからだ」
「かっ、かわっ!?」
そっちに反応しかけて、あっ、と叫ぶ。
「何隠れないところにつけてんだよ!」
シルバーは髪が長いので大体は隠せるのだが、こっちはそーゆーわけにもいかず。
前に、まぁ誰も首なんて見ないだろ、と高をくくってそのままでいたら
目敏いクリスに見つかってしまってそれはもう穴があったら入りたいよ状態になるまでからかわれたのである。
あの時の記憶は「ほろ苦い思ひ出」を通り越してもう「トラウマ」だ。
「じゃあ、隠れるところにつける」
うわめちゃくちゃ嫌な予感。