ポケスペ
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「シルバー」
5回目。 起きない。
声は地声に近づきつつある。
「シルバーっ」
6回目。 やっぱり起きない。
もう地声だ。
「シルバー!」
7回目。 やっと起きた。
あわててシルバーが目をこする。
「珍しいわね、シルバーが居眠りなんて。…ゴールドはいつもだけど」
「小声で言ってるけどちゃんと聞こえてんぞ」
「本当なんだからしかたないでしょ」
反論しようとした瞬間、ぐらり、とシルバーの体が傾いて、クリスに寄りかかった。
「・・・なんでクリス」
「日ごろの行いじゃない?」
悲しい事に反論できない。
「でもこんな居眠りするなんて本当に珍しいわね」
ふふっ、とクリスが微笑む。
「よっぽど昨日の夜頑張ったのね」
「・・・そーゆー事さらっと言うなよ」
「え?何の事?」
「・・・」
素なのかどーだか分からないクリスに、ゴールドは何も言うまい、と思った。
クリスはやっぱり「そーゆー子」なんですね。
分からない人は分からないままのあなたでいて欲しいです。