ポケスペ
□アリス １
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これは夢だとすぐに気付いた。
というのもオレはこんな森を知らないからだ。
オレの知っている森と言えば「トキワの森」だの「ウバメの森」だのうっそうとした暗い森である。
この森は童謡の「森のリングマ」に出てきそうな爽やかな森だ。
まぁ、夢だと思う夢は少なくないので、とりあえず、この夢を楽しもう。
と、頭に違和感を感じた。
頭に触ろうとするとフンワリしたモノに手が触れた。
髪の毛…な訳はない。
引っ張って、目の高さに持ってきて思わず叫んだ。
「ミミロルぅぅーーーー！！！？？」
それはミミロル耳だった。
慌てて手を見る。その手はしっかり人のものだ。
足もしっかりあるし服装もまぁ普通（Yシャツにベストに短パン）だ。
…ミミロル耳をつけた人…？
まあ夢だし（無いけど！絶対無いけど！）有りなのだろう。
短パンのポケットを探ると、金の懐中時計。
ピン、ときた。
どうやらコレは「破れた世界のアリス」らしい。
いくらオレでも話のあらすじくらいは知っている。
確か、ミミロルを追って女の子が破れた世界に行くって話だった…はずだ。
さぁ舞台は分かったとしてどうしよう、と思った時、
木の蔭から人影が現れた。