頂捧他

□蓮様より
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僕のワタルは料理上手で家事全般が得意で、絶対良いお嫁さんになれると思う。勿論僕のね。

目の前に出されたきらきらしている様にすら見えてしまう料理を見て、僕は毎回同じことを考える。


「冷める前にさっさと食え。」

「ワタル、ほんと料理上手だよね。」

「当たり前だ。俺を誰だと思ってる。」


竜王が主夫なんて誰も思わないだろうに。
僕はちょっと笑って、箸を持って手を合わせてから美味しそうな料理に手を付けた。


「いただきます。」

「ああ、有り難く頂け……ん?」

「……?どうしたのワタル。」


自分の箸を持ち掛けたワタルの視線が、ある一点に釘付けになる。
何だろうと思って石榴石の視線を追って見れば、僕の家にある数少ない女の子要素のぬいぐるみがあった。

ピカチュウとかプリンとかに混じって、僕の一番大事なカイリューの人形がある。ワタルがそれに心を奪われているのはすぐに解った。


「……カイリュー。」

「うん。この前ブルーさんと買い物に行った時、ワタルが好きそうだなーって。」

「……可愛い。」

「はい?」


何が、え、嘘。だって僕ワタルに可愛いなんて言われたことないのに!なんて、僕の乙女な期待はすぐに粉々にされた。

ワタルは真紅の眼をきらきらさせて、カイリュー人形に一直線。
ああやっぱり、そんなことだろうとは思ったけどね。


「可愛いなこれ。」

「………うん。」

「イエロー、俺が好きそうだと思って買ったのか?」

「え、うん。…そうだよ?」

「……ありがと。」


人形に向けていた顔を僕の方に向けると、ワタルはそれはもう、殺人的な破壊力を持つ笑顔をしていた。正直可愛い。超可愛いそれ。


「ほんと可愛いなこれ。」

「……可愛いのはどっちだよ。」


あんな笑顔でちょっと照れながらも素直に(僕が欲しかっただけなのに)お礼言うし、人形抱き締めてにこにこしてるし、見てるこっちがにやけそうだ。

僕が小さく言った言葉はワタルには聞こえてないみたいで、ワタルはまだ人形を抱き締めたままにやにやしている。


「イエロー、」

「何ですか。」

「お前にも可愛い所があるんだな、見直した。」


前言撤回。そんな笑顔で言われてもその減らず口だけは可愛くない。

苛々した僕はワタルからカイリュー人形を奪って、騒ごうとする形の良い唇を自分の唇で塞いだ。

ほら、そうやって大人しくしてればワタルはいつも可愛いよ?眼をぎゅっと閉じて顔を赤くしてる姿なんて、言葉に出来ないくらいだ。

ほんとは、いつでも可愛いけどね。






***


ふわあぁあぁぁあっ!!
コレ読んだ後2424止まりませんでした…(今も止まってません)!
可愛いのは君達ですよいやほんとマジで!!
カイリュー人形欲しくなったのは私だけじゃないはず!

お、遅くなりましたがこの素晴らしい小説様は『dearest』の蓮様より相互記念としていただきました!
こちらこそ相互本当にありがとうございます!!


最後にお持ち帰り厳禁でお願いします!!

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