連載
□人は好奇心を裏切らない
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いつの間にか、ゴールドはここに慣れたらしい。
綺麗に割り切っている事を、オレは喜ぶべきなのか、否か。
人と吸血鬼は活動時間が逆なので顔を合わせる時間は短かったが、
その僅かな時間で他愛もない会話をたくさん、した。
ゴールドは『外』へ出れる機会をうかがっているらしい。
それに気づかないほど間抜けではなかったし、また、
それを止めるほどお人好しでもなかった。
アトを附けられた人は、子供だろうが女だろうが老人だろうが、
『外』へ出れば問答無用で殺される。
アイツはきっと分かっていない。
この世に、特別な人など、特別な物など、何もないという事を。
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